果てしなき帰途の果に

yoakeroの雑文コーナー

『雲のむこう、約束の場所』

ネットで予告編が公開されてからずっと心待ちにしていた、『ほしのこえ』の新海誠の新作。勢い余って二回も観に行ってしまった。
話の舞台は、大戦によって北海道を占領されている架空の日本で、二人の少年が、一人の少女を救うために、北海道にそびえる塔へ自分たちで作った飛行機に乗って行こうとする、というのがメインの話。それと同時に休戦状態だった戦争が再び開戦する、という大きなサブの話もあるのだけど、『ほしのこえ』と同じであまりメインの話に関わってこない。ここらへんが多少興味深い気もするけどここでは置いとく。
この映画で素晴らしいのは、背景。本当に綺麗。90分間もあの綺麗な風景をでかい画面で見れただけでも、映画館に行って観てよかったと思う。あと、映像的にも勿論すごいし、物語の中でも背景は重要。前半の中学時代の風景のほとんどには、海の向こうの高くて白い塔が見えていて、主人公たちにとって塔が日常の向こうにある目指すべき場所であることが語られている。主人公が東京の高校に上京してからは、塔は空気が澄んでいる日にだけ遥か遠くに見える存在となって、主人公が遠くに置いてきたものや、上京したことで目指すものを見失っている主人公の気持ちなどが表現されている。これ以外にも、この映画で背景が語っているものは多かった。でもまあ、そんなことよりも、とにかく綺麗な背景だったというのが、やはり一番素晴らしかった。
蛇足。DVD出たらたぶん買います。サントラは、経済状況による。