果てしなき帰途の果に

yoakeroの雑文コーナー

上遠野浩平『ぼくらは虚空に夜を観る』

ぼくらは虚空に夜を視る (徳間デュアル文庫)

ぼくらは虚空に夜を視る (徳間デュアル文庫)

なんとなくの再読。(画像がない。ショックだ。)
この本が刊行されたのが五年前で、徳間デュアル文庫が創刊されたのも五年前で、その時僕はまだ高一だったと思う。当時はけっこう分からない所とか流して読んでいたので、全然記憶にないシーンとかあって面白かった。
ナイトウォッチの空間認識が半径七千七百七十七億七千七百七十七万七千七百七十七キロメートルなのは多分、7が孤独だからなんだろうなあ*1、とか当時じゃ分かりようがないこととかもなんとなく分かった*2
でも最初の50ページくらいの日常の描写が物凄い退屈というかつまらない。文章がくどくなくてあっさりしてるからそれ程気にせずに読めるんだけど、描写が薄っぺらいし、人物のリアクションがすごい作り物っぽくて酷い。主人公含め日常側の人間の思考がなんか馬鹿っぽい。ブギーポップの方はもう少し違ったような気がするんだけど。でもまあ、最初の戦闘を終えてからは現実と架空のギャップがはっきり目立つようになって、むしろそういう部分も面白くなってくる。
せっかくだから、ナイトウォッチの残りの二作もそのうち再読しよう。

*1:『しずるさん』の話でも使ってたし。でももしかして全然別のSFとかのネタなのかなあ、とか自信薄。

*2:『すべてがFになる』を読んだのは二年前。