果てしなき帰途の果に

yoakeroの雑文コーナー

大槻ケンヂ『ステーシー』

ステーシー

ステーシー

私は眠りの中で不条理に出会った。
不条理をどのように解釈するかは、考えるまでもなく、結局その人の主観でね。
私は、主軸がこの世界の微調整をしたように、主観という私の世界の捉え方を、目、耳、舌、触、鼻、それぞれすべてに微調整を行ったんだ。
いろんな経験をして、長い時間……といっても、たかが人の生きて老いる歳月の中でね。
わずかに、わずかに、”私の主軸”が、ちょっとズレていた。いや傾いていた。
インインメツメツとした方向へね(笑)。

最初の三分の一は「わかりやすい小説だなー」という印象で、真ん中の三分の一は「オッモシロイ小説だなぁ!」という印象で、最後の三分の一に至っては「これはトンデモナイ小説だな!」という印象っていうか衝撃。
最後の章で描かれる世界の、「ない」っぷりが凄まじい。いろんな読み方ができる小説だと思いますが、僕はその、あまりの「ない」っぷりに圧倒されました。