果てしなき帰途の果に

yoakeroの雑文コーナー

桜庭一樹『GOSICK』

GOSICK―ゴシック (富士見ミステリー文庫)

GOSICK―ゴシック (富士見ミステリー文庫)

久々に小説の感想を書きます。ライトノベル界隈では最近人気があるらしい桜庭一樹の『GOSICK』。ジャンルは今思い出したのですが、ミステリーなんですね、一応。富士見ミステリー文庫らしいミステリ濃度です。あと、作者は一樹なんて名前だけど女性らしいです。あとがきを読んで知って驚きました。
伏線の湯加減が丁度良い感じです。熱くもなく冷たくもなく。それでいて大量にあるので、リーダビリティがなかなか高いと思います。ヒロインのヴィクトリカのキャラクターも良いですし、主人公一弥との掛け合いも面白いです。舞台は19世紀のヨーロッパなのに、主人公が日本人という設定も入りやすくていいと思います。漢字の人名が一人でもいることで、どうも少し安心するようです。
よく出来た小説です。面白いです。でも別に新しみはないので、「すっげぇ、ひゃっほう、おっもしれーぇっっ!」と賞賛するほどでもないです。この場合の「新しさ」というのは主観的なものです。僕の勝手な思い込みです。
ところでさっき「賞賛」と打とうとして「笑殺」と打ってしまい、危うく自分に笑い殺されるところでした。笑殺自殺するところでした。そんな死に方は嫌です。