鎌池和馬『とある魔術の禁書目録4』
- 作者: 鎌池和馬,灰村キヨタカ
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2004/12/10
- メディア: 文庫
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今回の話は、『月姫』でいうところの『歌月十夜』や『メルティブラッド』のようなファンディスクみたいな印象を受けた。つまり、今まで登場したヒロインが軒並み退場し(又は脇役化)、新たなヒロインを軸に話が展開されている。前巻までのヒロインが脇役化するというのは、このシリーズの特徴なのだけど、今回はその脇役化する原因と、話の中心になる事件とが上手く噛み合っていて、そこが良くできていて面白かった。今までの登場人物たちの関係を利用し、なおかつそれを読者へのサービスだけに留め、話の本流とは別の部分で展開させる、というのは前述のファンディスクと同じ構造だ。前巻までもヒロインの交代と前ヒロインの脇役化の構造はあったけれど、今回は特にその手法が生かされていて、興味深かった。
このシリーズも四冊目ということで、ようやくノリにも慣れてきた。キャラ同士の漫談も嫌味なしに面白いじゃないか、と思えてきた。もしかしてまだこのシリーズは面白くなるのかもしれない。少し楽しみに思う。戦闘シーンの描写も、前よりも上手くなっていると思うし。まだ、物足りない感はあるけれど。
あと、ヒロインヒロインと連呼してきたけど、この話のヒロインは神裂火織ではなく、土御門元春だと思う。土御門を女キャラにしたほうが、きっと萌えキャラになったと思うんだけど、そんなこと思いながら読んでいたのは僕だけだろうか。
次回は、『ひぐらし』のちょっとどうでもいい話。