果てしなき帰途の果に

yoakeroの雑文コーナー

『ライトノベル・データブック』

ライトノベル・データブック 「作家&シリーズ/少年系」

ライトノベル・データブック 「作家&シリーズ/少年系」

本屋で立ち読みしたらなかなか良い内容だとおもったので、乙一を明日にまわして本書の感想を書く。最近はこの手のライトノベル特集本が何冊も出てて、全部は読みきれないのである程度目を通すくらいにチェックしている。そして、この本は最も実用的なものだと思う。
この本にはライトノベルに分類されている作品や作家が多数紹介されている。一冊(又は一つのシリーズ)につき1ページを使って粗筋や読み所を紹介しているので、自分の嗜好と合いそうな作品を探したり、興味を惹かれる内容のものを見つけたり、適当にぱらぱらとめくって次に読む作品を決めたりすることができる。意外と、こういうライトノベル本は今の所出ていないと思う。ランキングならあったが、あれでは大体20冊ほどしかカバーできないし、マイナな作品は取り上げてもらえない。この本はライトノベルの作品と作家の紹介が中心であり、「何を読むか?」の指針としてとても実用的な一冊なのである。
あと、この本には他のライトノベル本と違い、インタビュー記事が一つもない(なかった気がする)。これはちょっと珍しいと思う。業界の紹介ではなく、あくまで読者にライトノベル作品を紹介することが主眼に置かれていることが、このことからも窺える。
最後に、個人的にとても印象的だったことに、宗田理についての記事があったというのがある。僕としては宗田理も広い意味でライトノベルだと思っていたけれど、ライトノベル本でそのように取り上げられている所を見た事がなかったので、少し残念な気持ちをずっと抱いていた。「ぼくらシリーズ」とライトノベルの読者層はけっこう被っていると思っていたが、それと同意見の記事があったことが、立ち読みにもかかわらず感想を書いている動機でもある。だからといって「ぼくらシリーズ」がライトノベルと広く認められたわけではないけど。
今回はイレギュラーでしたけど、次回はきっと乙一『失はれる物語』。でも収録されてる作品のほとんどは既読なので、書き下ろしだけの感想になります。