果てしなき帰途の果に

yoakeroの雑文コーナー

葉山透『9S〈ナインエス〉』

9S(ナインエス) (電撃文庫)

9S(ナインエス) (電撃文庫)

ブックオフで100円で売っていたのを、一年位前に購入したもの。
物凄い強くて天才なヒロインと、普段は頼りにならないけど実は物凄い強い殺人鬼な主人公の二人が主役のアクション物。ちょっとだけSF風味。お話自体はまあまあ面白かった。でも正直この作者は実力低いと思う。文章ちょっと変な感じするし、魅力あるキャラとないキャラの差が激しすぎるし、設定を詰め込みすぎてまとめきれてないし。主人公とヒロインのやりとりは好きなんですが。『星界の紋章』のジントとラフィールみたいな感じで。『星界』の面白さを十倍に薄めた感じでしょうか。もし誰かに薦めるとしたら、迷うことなく『星界の紋章』を薦めると思います。
最も重大な欠点は、敵キャラの魅力のなさでしょう。敵が占拠した研究施設の設定はなかなか面白いのですが、敵自体は凄そうでもないし強そうでもないので、主人公たちが負ける気が全くしません。
ラスボスの秘密もちょっと良かったんだけどなあ。面白い部分よりも駄目な部分のほうが目に付いたので、評価は低いです。でもこのシリーズは5巻まで出てるようなので、この作者もひょっとして化けているかもしれない、という期待をちょっと抱いています。次巻以降、100円で売っていたら買います。
次回はユヤタンの新刊、『飛ぶ教室』。