果てしなき帰途の果に

yoakeroの雑文コーナー

佐藤友哉『鏡姉妹の飛ぶ教室』

鏡姉妹の飛ぶ教室 (講談社ノベルス)

鏡姉妹の飛ぶ教室 (講談社ノベルス)

西尾維新戯言シリーズ新刊は一年半ぶりだったわけですが、佐藤友哉は本を出すこと自体が三年ぶりです。三年ぶりですよ?三年といったら、もう、ええと、あの、なんて言ったらいいか、まあ上手くいえないけどさ!佐藤友哉の新刊が三年ぶりに出たっていうんだからもうそれだけで凄いことは伝わるかと!伝わらないよね!ごめんね!
新刊、とはいっても本書はネット連載していたものを本にまとめた物です。というわけで読むのは二度目。加筆修正部分は一箇所だけ気付きました、325Pの下段の会話は、連載当時はなかったです。他にもあるかもしれませんが、気付きませんでした。
で、内容ですが、再読ですが、面白かったです。連載時の「引き」の面白さも良かったですけど、やはりまとめて読んだほうが内容が分かりやすいです。強者と弱者の思想対決とかも面白いし、漂流教室みたいなパニック物として読んでも楽しいです。結末も嫌いじゃないです。でも、たまには佐藤友哉の書く何の憂いもないハッピーエンドを見てみたい。なんかもう、想像もできませんが、そんなの。
何はともあれ、再び講談社ノベルス佐藤友哉が読めるという事実が純粋にうれしいです。しかも今年はまだまだ新刊の予定がある。素晴らしい一年になりそうです。
次回は藤田和日郎『暁の歌』。『うしおととら』の人の短編集です。