果てしなき帰途の果に

yoakeroの雑文コーナー

J.D.サリンジャー『ライ麦畑でつかまえて』

ライ麦畑でつかまえて (白水Uブックス)

ライ麦畑でつかまえて (白水Uブックス)

何年か前にやっていた「笑う犬の生活」で内村光良が自分の好きな映画について一言語るコーナー、「ミル姉さんの映画一口メモ」というのがあった。その中で、内村扮するミル姉さんは『ライ麦畑』の映画について、「『ライ麦畑でつかまえて』を楽しめるのは、二十歳まで」と言っていた。もしかしたら十八だったかもしれない。その頃たしか僕は高校生で、少なくとも十八にはなっていたなかったと思う。でも結局読んだのは今年、二十歳になってからだ。ギリギリだったようだ。でも、十八って言ってた気もするんだよなあ、ミル姉さん……。
なんというか、若さに満ち溢れている小説でした。確かにこれは若い時に読んだ方が強く共感できてよさそう。主人公のホールデンの情けなさ加減とか、強がりとか、良いですね。ホールデンがやたらと電話をかけたがる描写がなんか好きです。でも別に若者のためだけの物語というわけではない所が、サリンジャーの凄さかと思う。丁度ホールデンが子供と大人の中間の位置にいるから、子供でも大人でも読めるし、どちらに対しても響くものがありそう。こういうのが、不朽の名作ってやつなんかな。
ところで、サリンジャーといえば、佐藤友哉小説の神様なわけですけど、『ライ麦畑』にも妹って出てくるんですね。今回、読んでみて初めて知りました。だから、というわけではないかもしれないけど、佐藤友哉の小説にやたらと妹が出てくるっていうのは、サリンジャーの影響みたいなのがあるのかなあ、と思った。それにしても『ライ麦畑』を踏まえて『フリッカー式』のあらすじ思い出すと、凄いですね、あれ。いきなり妹が死ぬものなあ、『フリッカー式』は。
次回は、ええと、なんだっけ。あれ、素で忘れてる。昨日の日記見返せば分かるんだけど、今さ、編集画面だからさ。ええっと……まって、もうちょいで出てくると思う……あっ、思い出した。『ちーちゃんは悠久の向こう』だ。『ちーちゃんは悠久の彼方に』は間違い。