原:山田悠介 画:杉山敏『リアル鬼ごっこ』
- 作者: 山田悠介,杉山敏
- 出版社/メーカー: 幻冬舎コミックス
- 発売日: 2004/03/24
- メディア: コミック
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ストーリーの大筋は、クラスの学級新聞の連載小説とかで目にしそうなレベルというか本当そんな感じ。くだらないんだけど、逆にそこが良い。全国の佐藤さんを間引くために鬼ごっこをしようというその発想。そんな小学生みたいな発想。まずそこがすごい。
そして物語を盛り上げる数々の名場面も、クラスの学級新聞の連載小説とかで目にしそうなレベルというか本当そんな感じ(あ、同じ表現二度使っちゃったよ)。主人公の親父が死ぬシーンの不自然さからは、リアリティという言葉とは遠い地平にいる作者の視点が垣間見えます。
さらに主人公が親友や妹と再会しても何もイベントが起きず、10ページくらい無駄な逃亡シーンが描かれた後で鬼に捕まる展開に至っては、安易に登場人物のドラマに頼ろうとしない創作者としてのプライドを感じます。
で、まあ、オチもあんなだし。最後の2ページのまとめ方も全ての物語へのアンチテーゼというか、よくもまあそんな空虚な台詞を主人公に言わせられるな、と驚愕させられました。
とにかく笑いと驚きに満ちた意欲的な作品でした。
あと本当、絵とかコマとか適当過ぎるとこ多いと思った。