小林泰三『家に棲むもの』
- 作者: 小林泰三
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2003/03/01
- メディア: 文庫
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表題作の「家に棲むもの」は、煙に巻かれた感じのオチが良いとも悪いとも言い難いけど、一番よくできていたと思う。「食性」は怖かったけど少し単調で、展開やオチが読めてしまった。「肉」はユーモアの混じったグロいホラーで、終盤の描写は生理的嫌悪すら感じるのにちょっと笑ってしまった変な作品。後半に収録されている「森の中の少女」「魔女の家」「お祖父ちゃんの家」は三つとも読んでると時系列のイメージが歪んできてくらくらするのだけど、その中で一番綺麗にまとまってると思えるのが「お祖父ちゃんの家」。最終的にそれぞれの時代の視点が収斂されるラストが上手い。「魔女の家」のオチは伏線が読み取れてなかったのか、なんか納得がいかず。「森の中の少女」はホラーというか、嫌な感じのするお話。あまり好きくない。
*1:部屋に5〜6人が会話してる状態で読んでたので、あまり集中していなかった。