コードウェイナー・スミス『鼠と竜のゲーム』
- 作者: コードウェイナー・スミス,伊藤典夫,浅倉久志
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1982/04
- メディア: 文庫
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同じ世界観だけど、時代や舞台が話によって全然違う。*1各作品の冒頭にある物語背景の注釈がなかったら、ほとんどの作品が独立しているようにも見えるくらいなので、注釈がとてもありがたい。『第81Q戦争』でも注釈を書いて欲しかったけど、あっちには年表があるので、それはそれで、まあ便利でした。
特に気に入った作品は、あまりに壮大なスケールのロマンスを描いた「星の海に魂の帆をかけた女」、人間以上に魅力的に思えてしまう猫とパートナーを組んだ男が出てくる「鼠と竜のゲーム」、読者への警句的な書き出しとラストのオチの繋がりが面白かった「スズダル中佐の犯罪と栄光」あたり。ほかの短編も良かったので、全体的に見ても面白かった。
いやしかし、「スズダル中佐」のあのオチはすごい! と個人的に思う。
*1:最初と最後の短編では、一万年もの時代差がある。