果てしなき帰途の果に

yoakeroの雑文コーナー

コードウェイナー・スミス『第81Q戦争』

第81Q戦争―人類補完機構 (ハヤカワ文庫SF)

第81Q戦争―人類補完機構 (ハヤカワ文庫SF)

もう一冊読みました。こっちの収録作は『鼠と竜のゲーム』よりも雑然とした感じで、面白さもマチマチ。ワンアイディア的な作品とか、冷戦物とか、そのあたりはあまり楽しめなかった。でもこの本に書いてある人類補完機構年表はとても便利。というかこれがないと、長い歴史の中で何が起こったのかというのがさっぱり把握できません。
こっちの作品だと、「人びとが降った日」「青をこころに一、二と数えよ」が好き。特に「人びとが降った日」はすごい。八千二百万もの人間が空から降ってくるっていう、ちょっと想像できないほどの非人間的な大掛かりな作戦だというのに、そこで行われる戦いのなんて人間的なこと! これには感動しましたよ。あと、物凄い規模の戦いのわりに、やってる事はやたら地味なところも好き。